Antonio Ocasio / Forward - 鼓動と共鳴するTribal Deep、魂を揺さぶる音響空間

Antonio Ocasio / Forward (Francois K. Remix)

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鼓動と共鳴するTribal Deep、魂を揺さぶる音響空間


Wave Musicが生んだNY Deep Houseの名作

2004年、Antonio OcasioがWave MusicからリリースしたForwardは、当時のNY Deep Houseの空気感を濃密に封じ込めた1枚です。そして本作の真価を決定づけているのが、François KevorkianによるRemixです。2000年代前半のDeep Houseは、派手なピークタイム・トラックとは異なる、より内省的でスピリチュアルな方向へと進化を遂げていました。その流れの中でWave Musicは、クラブ・ミュージックを単なるダンス・トラックではなく「音響作品」として提示し続けた重要レーベルでした。このForward (Francois K. Remix)もまた、その思想を見事に体現した作品と言えるでしょう。


鼓動とシンクロするTribalグルーヴ

無機質ではない生命力をカンジさせるリズムがイントロから執拗に反復され、トライバルなドラムパターンは、まるで心臓の鼓動とシンクロするかのようにジワジワと身体へ侵入してくる。乾いたパーカッション…そして細かく刻まれるハイハットが幾重にも重なり、グルーヴは単なる4つ打ちの枠を超えて有機的に脈打つ。そこに差し込まれるのが、Latinのニュアンスを帯びたキーボードのフレーズと、Ana Lucia Perreiraによるスピリチュアルなスキャットっ!リリックは明確なストーリーを語るというよりも、前へ進む・内なるエネルギーを解放する…といったメッセージを感覚的に投げかけてくる。その曖昧さこそが、フロアにおける没入感を極限まで高めていますね。


François K.が描く立体的なDub空間

曲の中盤以降、François K.の真骨頂であるDub処理が炸裂っ!エコーで引き伸ばされるパーカッションの残響、奥行きを無限に感じさせるリヴァーブ空間…そのひとつひとつが音の余白を生み出し、フロアに立つ者の意識をトランス状態へと導いていく。単に踊らせるだけでなく、空間そのものをデザインする…まさにサウンドシステム・カルチャーの延長線上にあるアプローチとなっています。François K.ならではの「引き算」の美学によって、音数は決して多くないにもかかわらず、空間全体がゆっくりと呼吸しているかのような立体感が生まれています。


フロアで完成するDeep Houseの美学

2000年代前半、NYを中心にDeep Houseはより内省的でスピリチュアルな方向へと進化してゆきました。その中でWave Musicは、クラブだけでなくリスニング環境でも成立する「音響としてのHouse」を提示し続けたレーベルであり、本作もまたその美学を体現しています。DJ的視点で言えば、このレコードの真価は時間を操るチカラにあるといえます。ピークタイム直前、あるいは長いセットの中盤で投入するコトで、フロアの空気を一段階深い次元へと引き込むコトができるナンバーです。オリジナルも素晴らしいが、このFrançois K. Remixは一歩先の領域に到達していますね。音の密度、空間の広がり、そしてグルーヴの説得力…そのすべてが高次元で融合した、まさに「フロアで完成する音楽」です。盤面に針を落とせば、音は単なるBGMではなく空間そのものへと姿を変え、身体と意識をゆっくりと深いグルーヴへ導いてくれるハズですよ。

 

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